Amazon Music HDで90日間の無料体験プログラムが実施中です。せっかくですので高音質ストリーミングを体験してみました。
無料体験プログラム後の利用料金はプライム会員であれば1780円/月(Music Unlimitedを利用していれば+1000円/月)です。
どうしてもPrime Musicだと曲数が少なくてMusic Unlimitedに移行する方も多いと思いますが、高音質ストリーミングで更に+1000円/月の価値があるのか。
Prime Music | Music Unlimited | Amazon Music HD | |
曲数 | 200万曲 | 6500万曲以上 | 6500万曲以上 |
高音質ストリーミング配信 | X | X | 〇 |
一般 | プライム会員に登録
500円/月 |
980円/月 | 1980円/月 |
プライム会員 | 無料 | 780円/月 | 1780円/月 |
ファミリープラン | ー | 1480円/月 (6名まで) |
2480円/月 |
学生プラン | プライム会員に登録
250円/月 無料体験6か月間 |
480円/月 | ー |
Echoプラン | ー | 480円/月 | ー |
高音質ストリーミング
Amazon Music HDでどれほどの高音質になるか見てみるとやばい・・・。さらっと怪しい用語がならんでいます。




出典:https://amazon.co.jp
サンプリング周波数と量子化ビット数
音はモノの振動によって発生する「波」が人間の耳の鼓膜を振動させて感じるものです。バイオリンも弦を振動させて音の波を出しています。
CDの音楽データは16bit/44.1kHzになっていて44.1kHzは「1秒間に44100回、音の波を記録する」という意味です。
「44.1kHz」がサンプリング周波数。「16bit」が量子化ビット数になります。
人間の耳は20kHz以下しか聴こえないのだから44.1kHzは無駄のように思いますが、20kHz以下を再現するために44.1kHzでサンプリングしています。(ナイキスト周波数)
音の強さ(音圧)を表す単位としてdBが使われます。人間の耳は一般的に0dB~120dB(0dBを1とした場合、100万倍)まで聞こえると言われます。単位が大きい程、強い音になりますが120dB以上になると鼓膜に痛みが伴ってきます。120dBはジェットエンジンの近く位になります。1bitは約6dBですので【16bit x 6dB = 96dB】をカバーすることになります。
振動の波は連続的に変化しますので原音を正確に再現しようと思った場合、データ量としては莫大になります。人間が聞いて原音との違いがわからないデータ量にしているのがCDになり、Amazon Music HDのHDに相当します。
Ultra HDについては24bit/192kHzとなっていて聴いて違いがわかるかと言われれば微妙ですが、原音を正確にデータとして保存する技術としては価値があると思います。
ビットレート
CDの1秒当たりのデータ量は【 16bit x 44.1kHz x ステレオ2ch = 1411.2kbit/sec = 1411.2kbps】になりますのでビットレートは1411.2kbpsになります。
データ容量を減らしたり、通信に負荷がかからないようにビットレートを減らすのが圧縮技術となります。
データを圧縮しないで記録(リニアPCM)したWindowsの音楽ファイル形式はWAVになります。
Amazon Music SDで使われているロッシー圧縮音質(一般的にはMP3、AACなど)は非可逆圧縮でビットレートを最大320kbpsまで落としています。
参考
非可逆圧縮とは【データから人間がわかりにくい音を削除】して圧縮しており、WAV→MP3→WAVのように元に戻すことはできません。
Amazon Music HDで使われているロスレス音質(FLAC)は可逆圧縮でビットレートを最大850kbpsまで落としています。
参考
可逆圧縮とはデータを圧縮しているだけでWAV→FLAC→WAVのように元に戻すことができます。Windowsのファイル圧縮でいうとZIPなどになります。
結局、サンプリング周波数、量子化ビット数、ビットレートからAmazon Music HDとはストリーミングでCDを聴けるということになります。
いつもCDや生演奏を聴いている方なら価値があると思います。
逆にMP3しか聴いていないならMP3が原音ですからAmazon Music HDを聴かない限り不満もない筈です。
90日間の無料体験プログラムで「Ultra HD 宇多田ヒカル」でも聴きながら考えてみるのも良いと思います。
Ultra HD
HDを超えたUltra HDも再生可能です。Ultra HDは「ハイレゾ」に相当します。この領域が聴いてわかるかはお任せしますが、「ハイレゾ」にこだわって数値重視で機器を選ぶより20kHz以下の特性を重視して選ぶ方が良いと思います。たまたま選んだ機器が「ハイレゾ」だった位の感覚でしょう。
詳しい定義については、JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)による【「ハイレゾオーディオ」を呼称する場合、CDスペック(CD 16bit/44.1kHZ、DAT・DVD 16bit/48kHz) を超えるディジタルオーディオであることが望ましい。】、JAS(一般社団法人 日本オーディオ協会)による【ハイレゾオーディオの定義と運用】を参考にしてください。
対応機器、Blutoothに注意
Amazon Music HDにはたいていの機器が対応していると思います。DVDが16bit/48kHzを使っていますので所有している機器を改めて確認すると対応している筈です。
Ultra HDは対応していない機器があると思いますが、ダウンコンバートしてくれて16bit/48kHzとかになりますのであまり気にしなくてもいいかなと思います。
ワイヤレスヘッドホンで用いられるBluetoothについては注意が必要です。音に使える通信速度が遅いため音の遅延、音飛びを抑える目的でデータをぎゅっと圧縮します。
データ量を減らしますのでロスレスで端末には届いてもワイヤレスヘッドホンではロッシー圧縮音質になります。
音質が良いとされるQualcomm aptXは16bit/48kHzを1/4の384kbps相当、Qualcomm aptX HDは24bit/48kHzを1/4の576kbps相当に圧縮、Sony LDACは音質優先モード990kbpsとなります。
Qualcomm aptX、aptX HD、Sony LDACは対応しているヘッドホンも必要になりますが、Androidスマートフォンは意外に対応していて結構搭載されています。
iPhoneのBluetoothはロッシー圧縮SBCかAACとなりますが、普通AACになっていると思います。
Amazon Music HDを聴いてみる
Amazon Music HDの再生環境は以下のようになっています。サンプリング周波数とかは気にして揃えてないので偶然です。
・パソコン関連
サウンドデバイス | 32bit/192kHz |
3.5mmジャック スピーカー |
再生周波数帯域50~20kHz |
USBスピーカー | 16bit/48kHz 再生周波数帯域70~20kHz |
USBアンプ MixAmp Pro |
16bit/48kHz |
ヘッドホン ATH-R70x |
再生周波数帯域5~40kHz |
・テレビ関連
Fire TV Stick 4K | 24bit/48kHz |
AVアンプ | 24bit/96kHz |
スピーカー | 再生周波数帯域45~50kHz |
WebブラウザだとAmazon Music HDに対応していないのでAmazon Musicアプリをダウンロードする必要があります。
Amazon Musicを起動してプレイリストを見るとHD、Ultra HD対応の楽曲には曲の横にHD、Ultra HDの表示がでています。
再生中のULTRA HDのバッジをクリックすると再生状況が表示されます。
下の画像だと曲のデータは24bit/96kHz FLACでストリーミングされていて24bit/96kHzで再生されています。
iPhoneはBluetoothでなければ24bit/48kHz対応でした。
Amazon Music HDについては自分で用意したMP3 128kbpsと比較すれば違いがわかる。320kbpsだと曲により若干違いがわかる。ただならAmazon Music HDを選ぶ。
Ultra HDについては私にはわからない。12歳以下の子供だと26kHzでも半数くらい聴こえるらしいのでわかるかも知れません。
パソコンでは他のヘッドホンも使ってみたりしましたが、音源よりも再生経路、再生デバイスでまったく異なる。悪いものは異次元のレベルなので何でもいい。
パソコンの音周りはサラウンドの宣伝が大半でよくわからなくて難しいですね。改めて確認できて面白かったです。
皆さんも自分の耳を信じてトライしてみましょう。
90日間の無料期間あり